僕のエスコートちゃん
我が家には結構古いEPカーがあるのだ。
結婚前に買ったはずなので少なくともかれこれ11年以上は経っている筈。プロポとかアンプとかサーボがセットになって売っていたタミヤのフォードエスコートWRCて奴だ。
んで、このエスコートちゃん、シャーシがTL-01なのだけど、TL-01って、1997年に発売されているようなので、どうやらTL-01のシリーズが発売されて割とすぐに買った計算になるね。当時はそれが新しいものなのか古いものなのかとか全く考えていなかった。ともかく、友人Yと、突如として「ラジコン欲しい」って話になって、ラジコン初心者の僕としては、とりあえずプロポ含めて全部セットになってる組み立てキットを買ったのだ。
友人Yは模型方面はかなりのつわもので、ラジコン購入の際もいろいろと彼から情報をもらった記憶がある。で、ともかくすぐ始めたいなら、入門用に必要なものが全部入ったキットが売っているから、君々、それを買いたまえ。ははあ。お代官様。仰せの通りにいたしますって具合で、割と悩みもせずにすぐにそれを買った。
初心者で怖いものなしの当時の僕は(初心者って部分に関しては今でも同じだ…)とっとと遊びたい一心で、それを一晩で組んだ。調整も何もあったもんじゃないが、そこはそれ、天下のタミヤ。素人が何にも考えなしに組んでも、それなりに動くものになるあたり、さすがである。
なんか、サスの動きが結構渋かったり、トリムを目いっぱい右に調整しないとまっすぐ走らなかったりだったと思ったが、それでもまあ、初心者がその辺でチョコチョコ走らせる分には十分で、楽しかった記憶がある。それに、走らせているうちに馴染んだのか、サスの渋さはそのうち解消されたはずだ。
買ってから何ヶ月かは喜んで遊んでいたが、北海道、冬は雪が降る。僕のエスコートちゃんはWRC仕様だ。当然冬道だって走るはず。スエディッシュラリーなんてフルピンのラリータイヤ履いて全開で走るじゃん。
…なんて甘い話はない。1/10スケールだ。3センチの降雪は30センチに相当する。3センチなんて鼻くそみたいな降雪量だ。小一時間も雪が降ったら、そのくらいあっという間に積もる。
ということで、冬の間はシーズンオフだ。
けれど、その後開幕を迎えることはなかった^^;
で、だ。
久々に火を入れるのである。バッテリーは仕事から帰ってきてから充電を始めたので、まだ4時間ほどしかチャージされていないが、ま、ちょっとお試しに少し走らせるだけだ。これで十分である。
それよりも、サスの動きが渋い。さすがに長々と放っておいただけのことはある。
なので、ばらすのである。とりあえず、ダンパーをはずす。で、サスを動かしてみる。
すこすこがたがた。
むう。渋さのかけらもない代わりにガタがあるのでは…。だが、自分にとって不都合な部分は見えないのである。とにかく、動きは渋くないのでこっちはそのままにする。次にダンパを押してみる。
むう。渋い。
まあ、そりゃそうだ。オイルダンパなんてもんは、きちんとメンテしないとだなあ、使い物にならなくなるに決まっているのだ。そうだ、決まっているのだ、とか独り言を言いながらダンパをばらす。
と、ここで大変なことに気づく。
ダンパオイルがない。
あいや、こりゃ、おっちゃんまいったネ…。まあ、仕方がない。今日のところはバラすだけバラして、とりあえず脱脂だけしておこう。うん。そうしよう。
ということで説明書を探す。…探す。探す。探す探す探す…。
ない (ToT)。
あはは。説明書ないや。ないね。うん。ないや。えへっ。
まあ、ないものは仕方がない。もともと組み立てキットだもの。そこらへんは記憶と野生の勘で何とかなるだろうということで、とにかく新聞紙ひいてダンパの頭のねじを外しにかかる。と。
ここで驚愕の事実発覚。
オイルのオの字もない。からっから。あれ?
いや、いくらなんでもおかしいだろ。そりゃ確かに随分放っておいたけれど、いくらなんでもオイルがからっからになるなんてことはあーた、さすがにないでしょ。
その瞬間、雷に打たれたような衝撃が全身を駆け抜ける。まさに天啓。おお。そうだ。思い出した。思い出したぞぉ!
TL-01って。
フリクションダンパだ。あはは。
さすがに10年以上ダンパバラしてないからすっかり忘れてた。がっくりしながらもシャフトに、とりあえずこれも10年物のグリスでグリスアップ。ダンパ4本すべて同じようにグリスアップして元通り組み付け。
おお。動く動く。軽く動く。軽く動くけど…。
リアを10センチほど持ち上げて放す。
ごんっ☆
素敵な音。
なんということでしょう。このくらいで腹打つのね、この方は。こんなにへにゃへにゃの足回りだったっけかなぁ。
まあ、そのあたりも忘却の彼方なので見なかったことにして作業完了。
充電完了していないバッテリをつないで、とりあえず外へ。
我が家の前の道路は、ロードヒーティング。よって雪はない。枝道に入ればそれはそれは素敵な風景だが、とにもかくにもテストランは可能だ。よしいくぞ。
おお。走るぞ(いや、当たり前だけど)。しかも幸運なことに、比較対象がないから調子がいいのか悪いのかもわからない。とにかく普通に走って普通に曲がる。
素敵(はぁと)。
で、普通に走るとなれば、欲も出る。
TL-01はシャフトドライブ4WD。しかもシャーシはモノコックで駆動系はほぼ完全密封。FETアンプとかサーボは見えてるけど、まあ左右は完全にシャーシで隠れてるし…。
僕のエスコートちゃんよ、スエディッシュラリーだ、GO!
幸いにも枝道は昼間のうちに車が走って全面アイスバーンで、ほぼ平坦だ。行ける。大丈夫、行けるさ。いや、行けるはずだ。いくんだ、ぐははははは。
数分間の走行後、FETアンプまで雪まみれになっていたのはいうまでもない。
明らかにシャーシに見合わない走行ステージの気もするがいいのだ。本人が楽しければそれで。
ということで久々の走行終了。
ちなみに現在バッテリーは充電中ですがなにか?
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